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Vol.10 ピルへのハードルが高いのは、しかたなくない

ピル(低用量ピル、超低用量ピル)は、高い避妊効果をはじめ、生理痛、PMS、肌荒れ、貧血の改善、服用し続けることで生理日のコントロールできるなど、悩みの改善が期待できる。けれど、まだまだピルを服用するには心理的にも経済的にも負担があったり、人には言えない後ろめたさを感じてしまう風潮がある。自分の意思でもっと選びやすくなるように、ピルへのハードルが高いのは、しかたなくない。

明澄/モデル、俳優、シンガーソングライターなど幅広く活動。「とりあえず明日も生きてみようかな」と思える手助けになりたいと、日々表現活動を行なっている。

ピルは、大学生の頃から2年間ほど飲み続けていました。飲み始めたきっかけは、PMSがあったり、生理が重めで。当時は婦人科に行ったことがなくて、どうしようって思っていた時に、身近に「ピルを飲んでいる」という発信をしてる方がいたので聞いてみたんです。その人に教えてもらった病院が、割とラフな感じというか、任意で血液検査も受けられるけど、血圧測定と問診に問題がなければ処方をもらえたので、病院に行ってからピルをもらうまでのハードルは低かったですね。

ただ、私が処方されていた低用量ピルは毎月もらわないといけないタイプのもので。学生から社会人になりたての時期に、ワンシート2000~3000円くらいの金額負担はちょっと大変で、尻すぼみ的にやめてしまったんです。払えなくはないけど、固定費として考えると結構負担が大きい。そもそも生理があることで、生理用品とか鎮痛剤とか、既に出費があるじゃないですか。そこにプラスでピル代となると、我慢できる範囲だったら今はやめておこう、みたいな感じになってしまって。

私が飲んでいた時期は、金銭的にぎりぎりで頑張って飲んでいたこともあって、「この1錠を無駄にしてはいけない」みたいな気持ちで飲んでいました。だから、飲み忘れや時間がズレたときは、ちょっとナーバスになったり・・・。でもその反面、妊娠の可能性がほぼない(※低用量ピルを毎日忘れずに飲んだ場合、避妊の成功率は99.7%と高い効果が期待できる)ことへの安心感が、思っていたよりも強くて。避妊目的で飲み始めたわけではなかったので、これは発見でした。私の周りの友達とかも常に妊娠のリスクを心配しているし、割と多くの女性がストレスに感じてるんじゃないかなと思います。

私はピルを飲んでいて副作用とか全然なかったんです。でも、「副作用が出る人もいるから病院でちゃんと処方してもらってね」みたいな感じでは伝えています。周りにピルユーザーがいないけど気になってる人はいると思うので、そういう人にも、マクロじゃなくてミクロな情報をもっと届けられるようになったらいいなって思います。ユーザーの声は意外と共有されてないなって。もっと情報がオープンになったらいいなと思いますし、海外だと薬局で買えたりとか、安かったり、学生は無料とかあるじゃないですか。そういうふうになれたらいいですよね。

Interview&Text:Asuka Otani(REING)
Edit:Yuri Abo(REING)
Photo:Masumi Ishidaw

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