キャリアの描き方も歩み方も、人の数だけ存在する。輝くでもなく、強くあるでもなく、ただ自分の人生に真摯に向き合いたい。けれど、女性というだけで、自分で選んだ幸せの姿が阻まれたり、見えない天井や壁にぶつかることの多いこと。自分の働き方を自分で選択できる社会になるために、女性のキャリアに壁が多すぎるのは、しかたなくない。
早﨑未央/1993年、福岡県生まれ。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを運営する合同会社ユー・エス・ジェイに入社。マーケティング部でイベントの集客と満足度に責任を持ち、戦略立案からプロジェクトの遂行を担当。その知見と経験を社会課題の解決に活かすため、2020年にNEWPEACEに入社。現在、Visioning®︎ Firmのマネージャーを務める。
今働いている会社は、自分の考え方にとてもフィットしているんです。私はその人の生き方と経済活動が重なるといいなと思っていて、「こう生きたい」という意思と「この仕事をやるんだ」という選択が重なって、限りなく一緒にできる人を増やしたい。増やせるはずだって信じています。だから、この会社での仕事を通して、この信念をピュアに突き詰めたいと思っています。目先のことややらなきゃいけないことは大量にあるけど、信念を持って「こういう世界を実現したい」というビジョンに向かって走っていきたいんです。
でも、難しさも実際はあって。子どもを産む産まないとか、育休産休のことを考えなくてよかったら、キャリアの選択肢って全然違うだろうなっていうのは本当によく思いますね。直近だと3カ年の事業計画を作っているときに、「この3年間めっちゃ面白そうだけど、この2年目3年目に、もしかしたら自分はいないかも」みたいなことを思ったり。子どもを産むんだとしたら、育休を取るタイミングはいつになるだろうとか。男性側はそういうことはあまりないんだろうなって、たまにうらやましく思ったりはします。
以前は、そもそもこういう話を職場でするべきなのかどうかもあんまり分からなくて。昔「女性はいついなくなっちゃうか分からないからね」っていう言い方をされたこともあって。ただでさえ、女性だというだけで、気持ちをぐっと抑えたり、感情のコントロールをできるようにならなきゃいけないって、すごく思っていた時期もありましたし。一方的にそう思わされる環境にちょっと悔しさもありました。今では、それは私だけの問題じゃないしって思えるし、何より、自分自身がそういうことを誰かに強いることがないようにしていくことが大切、と思えるようになったので、良かったな、と。
キャリアは積み上げて上がっていくものだという考え方が、強迫観念としてある人も多いと思います。順調に積み上がっていっている人たちと、いつか合流するときに自分が積み上がってなかったらどうしよう、というような焦りや恥ずかしさ、と言いますか。私もきっとキャリアにおいて第一線から一時的に退くようなことも経験すると思うんですけど、そのときに“今の私”だからこそもっと仕事が楽しいとか、もっとやれることが変わってきたと思える人に自分もなりたいし、身の回りに増えるともっといいなって思ったりしますね。
Interview:Asuka Otani(REING)
Text:Yuri Abo(REING)
Photo:Edo Oliver