セックスに抱くイメージは人によってさまざま。なのに、セックスの話をすると、はしたないとか下ネタって片付けられてしまう感じ。誰しもがオープンにして話すことでもないけれど、そんな風に後ろめたく感じて、セックスの疑問や悩みを一人で抱えてほしくないから、セックスの話がタブーなのは、しかたなくない。
Kai/1998年、北海道生まれ。編集者・ライター活動の傍らユース団体「Tsumugi」共同代表・D2021メンバーとしても活動。ジェンダー・気候変動などに関心。台灣カルチャーが好き
Edo/1994年、メキシコ生まれカナダ育ち。東京でフォトグラファー&ドラァグアーティストとして活動する他、Creative Studio REINGのクリエイティブティレクターとして勤務。REINGが発刊する雑誌『IWAKAN』の編集部メンバー。
Ada/シドニー生まれ、横浜育ち。自身のメンタルヘルス疾患の闘病生活の経験から、ボディポジティビティやセルフラブをテーマに、ライター、コンテンツクリエイターとして活動中。イラストレーターとしても、iStock by Getty Images のコントリビューターとして注目されている。西洋占星術とタロットにも精通。
Lana/1997年、大阪生まれ。日本とフランスで育ち、上智大学では文学におけるセクシュアリティ表現の検閲を研究。多様な表現への関心から、現在はCreative Studio REINGで雑誌『IWAKAN』の編集メンバーとして活動中。
Ada:私はセックスの話が本当に好き。高校生の時って「誰がセックスした」とか、めちゃくちゃセックスの話をしなかった?
Kai:私も高校時代からいわゆるエロや猥談みたいな話はずっとしてた。そこから仲良い親友と、パートナーとうまくいかないんだよねとか、コンドームが入らないんだとか、性の悩みや知識についても話すようになったよ。
Lana:私の高校はセックスの話はしにくかったけど、セルフ・プレジャーに関してはすごくオープンだった。特に女子の中でiroha(イロハ)のアイテムがすごい流行って、「これめっちゃいいよ」ってお互いに誕生日プレゼントに贈りあったりして。三角形のデザインだからみんな「おにぎり」って呼んでたけど、そういうテンションで話してたのはすごく新しかったな。
一同:高校で?めっちゃいいね。
Edo:セルフ・プレジャーだと楽しいし話しやすいんだけど、セックスの話になると相手の存在があるから、悩みの部分は隠しがちになっちゃうんじゃないかな。みんな楽しく話すけど、ちょっとだけ悩んでる。完璧に見えるけど、みんな隠してる。自分が匂いや性病を持っていたことも仲間外れになりそうで言えなかった。
Ada:相手とのコミュニケーションやセクシュアリティの個人差もあるから、セックスの悩みはクローズドになりがちなのかな。私は男性のパートナーと結婚しているけど、自分が男性とセックスするときにいったことがないことを伝えたことがあるの。その時にパンセクシュアルという自分のセクシュアリティの話もして、彼は「男の人が毎回いく必要もないし、女の人が毎回いくふりする必要もない」と言ってくれた。すごい勇気のいることだったけど、お互いの向き合い方がすごく改善しました。全てのジェンダー・セクシャリティーの人にもこういう話をまずはパートナーとしてほしいな。
Kai:私は必ずしもみんながみんなセックスの話をオープンにしなくてもいいってことも大事だと思う。性やセックスの知識が広がるのはすごくいいと思うものの、セックスもみんながするわけじゃないし、行為自体をちょっと気持ち悪く感じる人もいる。この辺はコミュニケーションの取り方でも変わりそうだと、周りの子たちと話す中で気づいたよ。
Edo:そうだね、タブーじゃないけどオープンである必要もない。今はまだ、性やセックスの話をすると、「汚い」「失礼」と捉えられることもあるじゃない?99%の人が話しにくくても1%の話せる人がセックスの話を日常会話に入れていくことで、セックスの話はタブーじゃないと誰かの気づきになるかもしれない。だって、セックスってとても人間的なものじゃない?どうして隠すべきなのかな。
一同:もう、永遠に話せるね。
Interview:Asuka Otani(REING)
Text:Maki Kinoshita(REING)
Edit:Yuri Abo(REING)
Photo:Kisshomaru Shimamura