PMS(月経前症候群)と呼ばれる、生理前に起こる心やからだのさまざまな不調。イライラしたり、集中できなかったり、だるかったり。特有の症状や感情の揺らぎに戸惑うのは当人だけではなくてパートナーや周囲の人々も同じ。PMSを知ることは、あらゆるコミュニケーションの助けになるはずだから、PMSをわかってくれないのは、しかたなくない。
Ako
東京在住。都内で美大を卒業後、映像制作会社で働きつつ個人でもビデオエディター、モーションデザイナーとして制作活動中。
Lo
ロンドン出身。中国・上海で約2年過ごし2020年に中国・上海から東京に移住。スタイリスト、アートディレクターとして色々な国で活動中。
Ako:生理のことをこんなに話せるのはLoが初めて。私は二人の男兄弟がいるけど、彼と付き合うまではどうやって生理の話を異性としたらいいのかわからなかった。
Lo:生理のことを知る上では、二人の妹がいたのが大きいかもしれない。あと、友達の一人がすごく生理痛が辛そうなのも幼い頃から見ていた。だから、痛みのこと、感情のこと、ピルを飲むことなんかも、女性と関係性を持つときには考慮しなきゃいけないものだと思ってた。
Lo:以前は、全てうまくいっているように思えて、Akoが少し疲れているように見えると感じる時があった。「なぜ?」と思って聞いてみたら「多分生理が来ているんだと思う」と教えてもらって。最近は、彼女が元気な時でも、なんとなく生理がきているのかな、とわかるようになってきたかも。
Ako:無意識に、スケジュールがなんとなくわかってきたのかもしれないね。不快に感じることとか辛いことなども彼には全部話せたから、生理のことについて共有する難しさがなかった。逆に、彼のおかげでやっと自分の気持ちと向き合うことができていると思う。一人だったらここまで考えなかったかもっていうことも彼は深く聞いてくれるから。
Lo:実際には、相手の気持ちがわからない時もある。そういう時は「こういう感じ?」とか、「どうだろう?」って聞いちゃう。だって本当に彼女がどうして欲しいのか、いま大丈夫なのかがわからないから。これは様々なことで共通することだけど、お互いを理解した上で、相手の選択肢を尊重することが大事。いつもと違う状態を理解して、受け入れることから始める。それからやっと、前向きにそれをどう理解しあえるか考えることができるはず。
Ako:相手のことを知っていると思っていても、実際に聞いてみるまでは分からないことがたくさんあるよね。何でも話す近い関係だとしても、結局は他人であることを理解して、相手のことを知っている気にならないことが大切。
Lo:様々な意味でお互い気楽に話せることや、正直であることが大切だと思う。いまだに僕たちは、望むことを言い合う中で、僕や彼女が動揺することだってある。そんな時は、お互いを理解しあえるように何度も話して、性が「なんとなく触れにくい」トピックにならないようにしたいね。
Interview:Asuka Otani(REING)
Text:Maki Kinoshita(REING)
Edit:Yuri Abo(REING)
Photo:Masumi Ishida