TOPICSINTERVIEW

「しかたない」を乗り越える鍵の一つは対話。違和感やモヤモヤについてもっと話そう。me and youインタビュー

信頼できる誰かと違和感やモヤモヤについて話すことも、一つのセルフケア。「自分らしく生きる女性を祝福するライフ&カルチャーコミュニティShe is」を立ち上げ、現在はme and youとして対話を大事にしながら活動している野村由芽さんと竹中万季さんの二人が、話しはじめることでどのように「しかたない」を乗り越えてきたのか伺いました。

me and you, inc.

me and youは、個人と個人の対話を出発点に、遠くの誰かにまで想像や語りを広げていくための活動を行う拠点です。2022年2月、「わたし」と「あなた」という小さな主語を大切にしながら、小さな違和感も幸福もなかったことにせず、個人的な想いや感情を尊重し、社会の構造まで考えていくコミュニティメディア「me and you little magazine&club」がスタート。性にまつわることを自分の温度で話しはじめてみる音声番組「わたしたちのスリープオーバー」をSPINEARおよびJ-WAVEで毎週金曜日に配信中。
https://meandyou.co.jp
https://meandyou.net

―二人は前職にいたときから対話を大事にしてきたそうですね。

 

万季:仕事が忙しくて、深夜まで一緒にオフィスで働いていることも多かったんです。その頃から、仕事やプライベートで生じた違和感から生理で体調がよくないことまで、何でも共有しているよね。

由芽:違和感を抱えがちで、一人で抱えているのは苦しいから、「これってどうだろう?」と万季ちゃんに聞いてみたかった。実際に話してみると、新しい気づきを得たり扉が開いたりしていく感じがあるから、こんなに話しているんだと思います。

万季:個人的な自分の話を共有することが、癒やされる行為として話すことを大事にしている、というところも共通しているのかも。 

 

 

―環境や人によっては、個人的な話をしづらいということもあるかと思います。対話において、意識している点はありますか?

 

由芽:相手の話を聞いて、まずは受け止めることを心がけています。その人の考えはその人にしかわからないから、自分のものさしで「よくない」や「こうしたほうがいい」と言わないように気をつけているかな。

万季:誰にでも個人的な話をすればいいというわけではないし、安心して話ができる相手や環境は限られていますよね。家族や会社・学校だけで話せる相手を見つけようとすると苦しくなってしまうときがある。

由芽:身近な人に話したいときもあれば、話すのは難しいというときもあるよね。でも、物理的な距離を超えたとしても、「この人には話せる」と思える誰かはきっといると思います。

 

 

―me and youでも、性について話しはじめる音声番組「わたしたちのスリープオーバー」を通じてモヤモヤを話す場所を作っていますね。

 

由芽:性にまつわることは自分と身近なはずなのに、「話したいけど、話せない」とタブーになっていた部分もありますよね。遠くなった距離を取り戻すためには、物事の名前を知ったり、経験に名前をつけたりしながら、自分の言葉で話しはじめることが大事だと思います。PMSのことも、万季ちゃんとの会話のなかで知ったんです。「ほかにも経験している人がいるんだ」と安心したし、そこから調べて具体的な解決策を知ることができました。

万季:自分の身体も心も、ずっと付き合っていくもので、自分や世の中の状況が変われば変化が生じるものだから、話し続けることには終わりがないと思います。だからこそ、話すきっかけができる場所が増えるといいな。

 

 

―それぞれの個人が抱える「しかたない」を乗り越えていくためにも、話しはじめることが一つの鍵になりそうですね。

 

由芽:個人がそれぞれ異なる考えや感じ方を持っていることを一人ひとりが知っていれば、相手にも自分の意思があることを知り、想像できるようになる。そうすれば、もっと生きやすく、息がしやすくなるはず。けれど、社会の制度が追いつかなくて生じている「しかたない」もあるよね。

万季:ある。あと、社会の価値観は変化しているのに、会社が変わらずに生じている「しかたない」もあるけれど、それは社会の変化を説得材料にして小さく話しはじめてみると変わることもあるのかも。「しかたない」と感じていることに対して選択肢があることを知って、信頼できる相手と話しながら、少しずつ解放していけるといいなと思いました。

Interview/Riku(REING)

Text/Maki Takenaka(me and you)

このページをシェアする

YOUR VOICE

あなたの生活において「しかたない」と
諦めかけていること、聞かせてください。
今後の活動に役立ててまいります。

は#しかたなくない
{{voice}}

ツイートする