TOPICSINTERVIEW

Vol.11 “自分さえガマンすれば”と諦めるのは、しかたなくない

これまでもそうだったから、周りの人もそうだから、我慢する。 あるいは、自分自身でも気づいてないうちに、我慢する。そんな我慢は世の中にたくさんあって、一人ひとりが自分の体や心に素直に生きることはまだまだ難しいけれど、“自分さえガマンすれば”と諦めるのは、しかたなくない。

MEGUMU/10代の頃から東京を拠点にファッションモデルとして活動。アパレルやCM、雑誌など幅広く活躍中。インスタグラムのフォロワー8万人を超えるファッションアイコンとしてだけでなく、現在は俳優としての側面も注目されている。

何を我慢しているのかすらわかっていなくて、我慢が当たり前の世代なのかなと思います。大人になると同時に、感覚が麻痺していく感じ。例えば、生理痛が軽い日もあれば、いきなりズンってくる時もある。モデルの仕事は、寒い時期でも薄着が当たり前。それを我慢して、やり抜くのも当たり前。だから限界を言いづらいし「これ以上出来ません」と伝えるのに罪悪感が湧きます。だけど、私より若い世代が自分の気持ちを自然に、素直に伝えていることが気持ちよくて、何を我慢してしまっていたんだろうって、実は学び直している途中なんです。

誰も四六時中働けなんて求めていないのに、それが当然だと思って、無駄に誰かの期待に応えようとして。本当は「今日、だるいな」って思う日もあるし、毎日「私は頑張ってます!」じゃなくていいはずなのに、何でそれが正義とされるんだろう。それこそ、生理のときは頑張りたくない日があって、今なら「何が悪いの」って思えます。最近やっと、友達の誘いにも「今日はちょっと家にいたい」って言えるようになったんです。今までは、言い訳を探してて。でも、伝えてみたら「そんな日もあるよね」って。会いたくないから、嫌いだから、じゃない。自分の時間が必要って素直に言い合えたことで、気持ちがずっと楽になりました。

素直になるって、今の時代、なかなか難しいことだと思うんです。言いたいことは言おう、皆で声をあげようという流れは感じるけれど、ある一定の数の人に「正しくない」とされると、バッシングされる。すごくオープンになったと思う一方で、言いたいことを言いにくい時代にもなっている。せめて自分の身の回りだけでも、ネガティブに思うようなことも本音で言い合えたり、NOって言える相手がいるのは大事。もちろん相手も、自分にとっても、すごく大切なことですよね。

やっぱり我慢してることっていっぱいあるなと思って。モデルだからって、みんなに裸を見られるのが当たり前じゃないし、そこもNOって言えるのが当たり前になって欲しい。そういう言いにくいことを私が言うことで、同業の子とか下の世代の子が「こういうこと、言っていいんだな」と思えるのは大事だから、もうちょっと意識してきたいなと思ってます。もちろん自分のためだけど、もっと周りのためにも、素直に伝えていきたいです。

Interview&Text:Asuka Otani(REING)
Edit:Yuri Abo(REING)
Photo:Edo Oliver(REING)

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