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Vol.9 男だって体の悩みを言いにくいのは、しかたなくない

男性が弱音を吐いたり、悩みを打ち明けることは恥ずかしい?男性の生きづらさが語られるようになってきたけれど、そもそも「生きづらい」と感じているかさえ分からない人も少なくない。暗黙で語られる〈男らしさ〉が、ありたい姿や心地よさを閉ざしてしまわないように、男だって体の悩みを言いづらいのは、しかたなくない。

Naoki/2000年、神奈川県出身。都内を中心にダンサーとして活動。ライブバックダンサー、アーティストMV、WEB広告などにも出演。
 
GENTA YAMAGUCHI/1992年、岡山県出身。ダンサー・振付師。2012年から拠点を東京としてい以降、数々のアーティスト作品やライブなどに出演。近年では振付に留まらず、演出においても独自の世界観を展開する。
 
shiryu sejima/2001年、東京都生まれ。早稲田大学人間科学部在学中。ダンサー、振付師、モデルなど、表現者としてもマルチに活動。モダンファッションが好き。趣味はアニメ・漫画。

Naoki:幼い頃から筋肉がつきにくい体質で、当時は骨が見えるぐらいガリガリだったんです。学校のプールの授業で同級生にいじられたり、体力測定でもボールを投げるのが苦手で、周りからすごい言われたりした時期もありました。今はこの体型を生かすダンスを見つけたし、スタイルの良さを褒められることも多くなって。昔は悩んでいたけど、今は周りに自分のスタイルに自信を持ってる人が多いので、それを見て、関係ないんだなって思うようになりましたね。

shiryu:自分は、空気嚥下症という、無意識に大量の空気を飲み込んでしまって、お腹がグウって鳴ったりする症状を持っているんです。何とかしてやり過ごそうと思えば思うほど、それがまたストレスで悪循環になっていた時期があったけど、人に言っても「自分の胃腸のことだから治らないだろ、変わんないだろ」って決め付けて一人で抱えてました。でも、保健室の先生が親身になってくれて、日本人の8人に1人は空気嚥下症らしいことを知って、気持ちが楽になったのを覚えています。

Genta:自分は肥満体形だったから、それですごいいじられてたの思い出しました。男性も体や容姿のことって我慢しがちだけど、なんでなんですかね。コンプレックスに感じ過ぎてて人に話せてないのか、それとも、話すことがかっこ悪いとか情けないと思って、自分のプライドが勝っちゃって、それができてないのか。今は割と話せてると思ってるので、それで苦しいとかはなくて。話せるようになって、シンプルに自信が出ました。ここにいていいんだ、自分のままでいいんだなっていう自信。

shiryu:自然と話せると楽になりますよね。小学校とか中学校って、環境が一つしかないから、一緒にいたくない人ともいなきゃいけないじゃないですか。今はもう自分で一緒にいたい人を選べるから、こういう感覚を持った人を選んで普通に話せるのかも。

Naoki:自分も似てる。異質な存在にならないように、強制的に集団の中にいなきゃいけなかったから悩みがあったけど、今は自分と気が合う人といるから悩みもないし、あったとしても普通に相談して笑いに変えられる。幼いと、男も少数派の人は色々と言われがちなんですけど、今はそういうも聞かなくなったりして、気づいたら自然と気にしなくなりました。

Genta:でも、社会だとまだ、男の人は弱音を吐いたり泣いちゃいけないだとか、スカートはくのはおかしいとか、痩せてるのは男らしくないとか、色々あります。結局、そう言ってくる人はわかり合うための知識や学習しようとする機会が無いんだと思います。私ももっと学んでいきたいし、この地球に住む一人ひとりが、そういう力をもっと高めていけたら、世の中は変わっていくんじゃないかなって。

shiryu:見た目で「男なんだから」って判断されるのことに、なんで?って思います。人間の本質って体じゃなくて、心の部分じゃないですか。生まれるときに、体って入れ物に入れられて、その入れ物が男と女と分けられているだけで、心の本質の部分はみんな同じ、って持論ですけど、思うんです。だから、単に入れ物が違うだけで、その心の本質までも制限しちゃうのはおかしいんじゃないか、って伝えたいです。

Interview:Asuka Otani(REING)
Text:Yuri Abo(REING)
Photo:Kisshomaru Shimamura

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