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Vol.7 この国の性教育が後回しになっているのは、しかたなくない

性教育は、単に性交や避妊だけじゃなくて、性の多様性や生きる上で必要なさまざまな知識を学ぶこと。でも、学校での性教育の優先順位は低くて、導入が後回しにされている。だけど、性についてよくわからないまま大人になってしまいたくないから、この国の性教育が後回しなのは、しかたなくない。

Shin:東京都・八王子市出身、高校3年生。大学に向けて猛進中。
 
Kouu:東京都・三鷹出身、高校3年生。猫に夢中。
 
Rio:東京都・調布出身、高校3年生。韓国好き。
 
Hanto:埼玉県在住。高校3年生。スポーツ大好き。
 
Ririko:東京都・目黒区出身、高校2年生。韓国アイドルが好き。

Shin:性教育というと、課外授業で同性婚について考えたことがあるのですが、性のアイデンティティーに気付く機会や場所がそもそも少ないなって。学校でちゃんと習ってないから「自分の性って何なんだろう?」と。先生たちも触れない方がいい雰囲気というか、ふんわりやる、印象を受けます。

Kouu:私たちの学校は、そういった場は全くなくて。生徒の方が音楽やコンテンツなどで、境がないものを見たりコメント欄で知ったりして、先生たちよりも知識があるのかも。だから、先生とっていうよりかは、友達で共有する部分のほうが多いかな。

Rio:生理とかそういう話題も、友達との方が話しやすいよね。

Hanto:僕からしたら、保健の授業で生理について知るけど、痛みがどうとか、個人差があるとか、ピルで痛みを軽減できるとか、そういう話は全く知らなかった。どういう症状で気分が悪いとかって、知らない男子生徒が大多数だと思う。それは、たぶん良くないこと。知らない男子が何か言っちゃって、傷つけちゃうこともあるから。

Ririko:体育の先生が男の人だと、生理を理由に休みづらいな。辛いけど、走んなきゃって。休んでいる人はを見たことがないです。

Rio:女の先生でも「そんなことで体育を休むの?」みたいな反応、ちょっとあります。欠席扱いになっちゃうし、だったらもう我慢しようって。

Hanto:僕が中学の時は、プールが男女一緒だったんです。それで週2回、3回ある体育をずっと休んでいる女子がいたら「今週あいつ生理じゃない?」みたいな会話があった。そういうのに傷つく人もいたと思う。あと他の子よりも早く体毛が生えてる子がいじられるとか。僕もその時は好奇心があったので、そういう側に回ってました。今になってみると、毛が生えるなんて自然なことなのに。だから、そういう体の話が早期に学べない状況は、ちょっと駄目なんじゃないかって、思います。

Kouu:思春期って自分の体に対しても嫌悪感がある。その上で授業やネットで情報だけを得ると、余計に嫌悪感が生まれるときもある。だから、一方的に誰かに教わるよりも、グループワークの中で取り扱う問題として皆で一緒に学べたら、感覚も共有できるし、いいのかな。

Rio:そうですね。言いやすい雰囲気があれば、たぶん抵抗もなくなっていく。

Ririko:保健の先生が20代の男性なんですけど、私たちが自分の名前を出さなくても悩みや疑問を共有できるように、アンケートフォームを用意してくれています。直接ではなくても、匿名だから、以前より悩みを言いやすくなりました。

Kouu:共通の思いを抱いてる人を探すみたいなツールがあってもいいのかも。同世代で同じ悩みを持ってる人と地域関係なくつながれたりしたら、もっと話しやすいし、時代に合ってるのかなって思う。

Hanto:僕らはZ世代で、性についての在り方も問われるようになってきているけど、世代別でも、結構考えが変わってくるのかな。例えば、LGBTQ+が一般的じゃないっていう考えで育った世代の人たちが、そのまま大人になって、さらにLGBTQ+に否定的な人が教える側になってしまったら、学校で教わってもあまり意味がないと思う。偏見が入った言葉で教わると、逆効果だから。今、話してて思ったのが、高校生ってもうそれぞれが抱える悩みとかも自覚できるじゃないですか。高校生が小・中学校に教えに行ったりとか、そういう機会があったらいいのかな、って思ったりもします。

Kouu:たしかに、高校生になってから話せるようになったかも。高校生が小中学生と、世代を越えて話し合う機会があったらいいね。今は悩んでいても、こう考えられるなれるかも、先輩みたいになれるんだって思ってもらえたりするといいな。

Interview&Text:Asuka Otani(REING)
Edit:Yuri Abo(REING)
Photo:Masumi Ishida

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