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どんな性共育コンテンツを定める?「わたしたちの話」と「わたしのいいな」を掛け合わせた、5つの設計図。性共育ワークショップ DAY3レポート

「この国の性教育が後回しになっているのは #しかたなくない」にフォーカスした

実装活動『性共育プロジェクト』が始動しました。本プロジェクトでは年齢も活動領域も異なる約20名の有志が集まり、性教育を共に育みながらSOCIAL INNOVATION WEEK 2022での「性共育」コンテンツ発表をゴールに、

互いの視点・見解を高め合っていきます。

 

2022年5月に初日を迎え、7月に3回目が実施された本プロジェクト。

今回は「性共育のコンテンツを定める」をテーマに交わされたワークショップの

一部をお届けします。

「わたしたちのいいな」と「わたしのいいな」を掛け合わせる!

ワークショップ前半は、オンライン、家庭、学校、職場、地域のグループに分かれて、まずはDAY2で出し合ったアイデアのなかからマイベストセレクトを発表。自分やメンバーたちが何を大切にしながらアイデアを絞っていきたいのかを共有し、選んだアイデアの

バックストーリーを個人ワークで膨らませていきます。今日は実際に社会に実装するためのより具体的な方法を検討し、今までのワークで吸収した視点をひとつのアイデアへと凝縮させていきます。

個人ワークで考えたアイデアはグループで発表。それぞれの班が自分たちがプレゼン

するアイデアとして2つ選び、他のグループの人から「未来を少し変えられるかも」「実現したら本当に効果がありそう」と思ったものに投票してもらいました。他のグループのフィードバックを受け止めながら、自分たちが大切にしているものを洗練させていきます。

自分たちのビジョンを形に!設計図を描こう

ワークショップ後半は、DAY4のプレゼンテーションに向けて、メンバー&ファシリテーターの総力戦でアイデアの設計図を作っていきます。自分たちのビジョンが他のグループに

どの程度伝わっているのか。今までのワークで共有してきた、自分たちの譲れないものを軸に置きつつ、自分たちの強みとこれから強化できるポイントを往復してグループの

ビジョンを形にする。168個のアイデアの中から自分たちのアイデアを1つに絞り、個々人で考えたコンテンツ案をグループのアイデアとしてまとめていきます。

【学校チーム】

・解決したい課題:日常で生まれる幅広い悩みに対応するような教材がない。

・アイデア:受けた授業に対する疑問やもっと学びたいことを匿名で書き込んでいけるサイトの構築。専門的な知識を持つ人による返答が来ることで教科書や授業だけではカバーし切れない情報をまとめる。

 

【地域チーム】

・解決したい課題:性教育に関心がない層、わざわざ自分から情報を取りに行かない層にも負担なく情報提供をする。

・アイデア:移動図書館やキッチンカーのイメージで、学校・公共施設・商業施設・イベントなどにその日限りで移動図書カーを出店する。

 

【オンライン】

・解決したい課題:大人世代が性教育について学べるコンテンツがない。

・アイデア:50代くらいのおじさんがZ世代との会話や関わりの中で葛藤することや学んだことなどを発信するTwitterアカウントを開設する。

 

【職場チーム】

・解決したい課題:メンタルや身体のコンディションを整える場所/機会がない。

・アイデア:働く人のコンディショニングサポートを目的とした保健室の設置。基本的にはオンラインで話し、たまにバス型保健室が出張で来る。

 

【家庭チーム】

・解決したい課題:性のあり方が多様化する一方で、家の様式が追いついていない。

・アイデア:意識的/無意識的に家の中に存在する「しかたなくない」を可視化し、住宅設計と家族の在り方を家から変えていくプロジェクトの設立。

ワークショップの最後は、最終日の発表に向けてそれぞれネクストアクションと担当者を決定。発表まで約1ヶ月、準備は万端です。

「なぜ私たちがこのアイデアに取り組むのか」

性共育は一人では作れず、誰かと一緒に取り組まなければ意味がない。それぞれのテーマごとに異なる接点の作り方や関わる人との広がり方を踏まえ、グループ内で意見を

交わしつつ、他グループとも着眼点の違いをインプットし合ってきた本プロジェクト。

性共育のアイデアを社会に実装する場面がたくさんあるからこそ、自分たちにとって本当に大切なことは何なのか、ひとりひとりが自身に問いかけ続けています。

 

次は性共育ワークショップの最終日。各グループが集大成として発表し合うアイデアは、オンライン生配信も行われる予定です。私たちを取り巻く環境がどのように変化していくのか。そこにはどのようなインサイトがあるのか。多様なバックグラウンドの有志が集まるからこそ生まれた5つのアイデアとその広がりをお楽しみに。

性共育プロジェクトについて

「#しかたなくない」プロジェクトが2022年5月よりスタートした、「この国の性教育が後回しになっているのは #しかたなくない」にフォーカスした実装活動。

 

教師によるマニュアル的な「教育」ではなく、大人も子供も垣根なく、本当に知りたい事への理解を日常的に深めていく「共育」。それこそが性分野における水準を高めるキーになるのではないか。そんな仮説を実証するべく「性共育」を模索し、形にすることで社会のアップデートを目指す。

 

これまでの性的マイノリティや障がいがある方の多様な性を軽視した「マジョリティのためだけの性教育」ではなく多様な視点をもったプロジェクトにすべく、1月にプロジェクトオリエンテーションを実施。その参加者の中から有志で、性的マイノリティの当事者、障がい福祉施設の方、現役の学生、産婦人科医、性教育講師、企業の方など、さまざまな視点と専門性のある方々をメンバーに迎え、活動中。

Text/Maki Kinoshita
Edit/Riku(REING)

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